山一/鞄、雨具卸、自己破産で負債35億9800万円
2016年03月07日 18:25 / 経営
帝国データバンクによると、山一は3月4日に事後処理を弁護士に一任し、自己破産申請の準備に入った。負債は、2015年10月期末時点で約35億9800万円だが流動的という。
1884年(明治17年)創業、1949年3月設立の鞄卸業者。洋傘卸の老舗として知られていたマルト長谷川が、2014年4月に旧・山一に買収され、同11月に同社を吸収合併して商号変更した。
ハンドキャリーやソフトキャリーなどのトラベルバッグを主体にビジネスバッグやトートバッグのほか、傘やレインコートなどの雨具も取り扱っていた。
自社ブランドとして「actus color’s」などを打ち出し、イメージキャラクターに有名女優を起用するほかテレビドラマに衣裳協力をするなど積極的に展開。
製造はすべて中国の企業に委託し、得意先は全国のショッピングモールやデパートなどの量販店を主体に、2015年10月期には年売上高約48億円を計上していた。
しかし、旧・山一に買収される前には欠損計上が続き債務超過となっていた。買収により財務状況は改善されたものの、円安によるコスト増もあって収益面では厳しい展開が続いていたところ、借入金が重く資金繰りに窮し、今回の事態となった。
親会社(各種雑貨卸売)についても2月末から連絡難の状況で、動向が注目されている。
流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。