アマゾン/マーケットプレイス事業強化、消費財・ファッションに注力
2017年11月29日 11:50 / 経営
アマゾンは、「Amazon マーケットプレイス」事業を強化し、販売事業者の支援に注力している。
アメリカで2000年、日本では2002年スタートした同事業は、2016年には世界172か国で利用され、マーケットプレイスは11か国で運用されている。日本、アメリカなどに130のフルフィルメントセンターを持ち、185か国の消費者に商品を提供している。
11月29日に行われたメディアラウンドテーブルで、セラー事業本部のジヤ・ゲンチェレン事業本部長は、「マーケットプレイス利用者は順調に増加し、2017年上期には、過去最高の売上高を記録、全世界で20億個以上の商品を販売した」と説明。
「小規模事業者、スタートアップ企業でもマーケットプレイスの仕組み、当社のグローバル規模で整備された物流網を使えば、世界中で商品を販売できる。現在当社が扱う商品の50%はマーケットプレイスに出品されたものであり、販売事業者の支援は非常に重要」としている。
また、日本では、プライム会員が「プライム」マークのついている商品を優先的に選ぶ傾向にあることから、販売事業者の支援メニューとして、物流代行、カスタマーサービスも提供する「フルフィルメント by Amazon」に加え、販売事業者が一定品質の物流などのサービスが担保されている場合プライムマークが付く「マケプレプライム」を実施。
2017年1~10月、マケプレプライムの利用販売事業者は約4倍の増加、商品数も2倍以上増え、マケプレプライム利用開始前と比較し売り上げが向上した販売事業者は75%以上となった。
さらに、特に伸びているファッション分野では物流面を強化するため、国内15か所目となるフルフィルメントセンターを、大阪の藤井寺に開設(延床面積6万5000m2)。参加するアパレルブランドも2017年にはカルバンクライン、ノリーズなど増加している。
同じく伸びてきている食品では、日本の優れた産品を紹介する日本ストア、頒布会形式のワインクラブ、おせちといった季節商品の特集など行い、カニやワインなど食材を扱う販売事業者も増えている。
セラー事業本部の石橋憲人・営業本部長は、「ニールセン調べによると、アマゾンの利用者はPCで1652万人で男性66%、女性34%。モバイルで3558万人で男性49%、女性51%。伸びてきているモバイル分野で女性の購買が増えていることもあり、消費財、ファッションは今後も注力していく」と話している。
また、9月20日、法人・個人事業主向けの購買専用サイト「Amazon Business」を開始。こちらも順調に利用者が増え、現在までにポータブル電源、無水エタノール、プロジェクターなど多彩な製品が人気を得ているという。
今後、小規模事業者も多い販売事業者の実態に合わせ、海外での販売もさらにサポート。2017年2月、ユーザーインターフェイスの多言語化により日本語入力を可能にした。日本語での問い合わせ窓口も設置し、海外アカウント発行の簡素化も図っている。
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