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ライフコーポレーション/岩崎高治社長 インタビュー

2011年は2ケタ出店で次期中計の準備の年

<岩崎高治社長兼COO>
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–2010年度はどんな年だったか

岩崎 2010年は「耐える年、建て直しの年、準備の年」と位置づけた。これは2009年が「耐える年、ふんばる年、がまんの年」であり、6年ぶりの減益となったことを受けたものだ。

実際、3-5月の第1四半期は既存店前年比が95.4%、利益も減益で耐える時期が続いた。6-8月の第2四半期はリーマンショック後の景気悪化の一巡や7月以降の猛暑効果、ワールドカップのメーカータイアップ企画もあり既存店は100.4%まで回復し中間期末で増収増益に転じた。

下期に入って、9-11月の第3四半期も既存店で100.3%で着地し、12月の第3週までで100.2~100.3%のペースを維持している。

客数と客単価で見ると、第1四半期は客数97.3%、客単価98.1%、第2四半期は客数101.0%、客単価99.4%、第3四半期は客数100.2%、客数100.0%と客数・客単価とも100を超え、建て直しはでき及第点であった。

–第3次中期経営計画の評価は

岩崎 第3次中期経営計画は定性面、定量面ともに未達成という評価だ。定量面では、安定的に100億円の経常利益を出すことを目標としてきた。2009年2月期の初年度は、経常利益で114億円と過去最高の利益となったが、2010年2月期は86億円だった。2011年2月期は、対外発表している数字が86億円でこれは達成できそうだが、目標額には達していない。

定性面では、店舗、商品、売場、顧客満足(CS)、情報システム、物流、財務、ロスなど12の課題に取り組んできたが、完全に○の評価ができるのは、財務とロスの課題ぐらいだ。

その他は○に近い△や△といった評価でやり遂げられなかったと考えている。情報システムや物流は○に近い△まできているが、CSなどはこれまでの従業員の意識がやっと変わり始めたところで、さらに磨きをかけたい課題だ。完全に×という課題はなかった。

<岩崎社長>
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–10の課題を積み残した原因は何か

岩崎 課題を積み残した要因はマネージメントが甘かった点だ。簡単にいえば社長が甘かった。2009年は足元の業績が厳しく、中期的な目標よりも、目先の売上や利益に注力せざるを得なかった。

–財務とロスの課題ではどんな成果があったのか

岩崎 財務では一時期1000億円近くあった有利子負債を減らそうという取り組みで、現在は500億円の水準にまで下がっている。金融機関との取り組みもあり、金利の利率自体も下がっている。

情報システムや物流に投資ができるのは、財務の改善があるからだ。財務の改善があるから出店の計画も立てられる。

ロスについては、棚卸しロスを本部でコントロールできていないことから、生鮮を除いて年間で20億円ぐらいの棚卸しロスがあった。第1次中期経営計画を始めた当時の経常利益は20億円で、これと同じぐらいのロスが発生していた。

伝票管理やバックヤード在庫管理、売場巡回を実施、何よりも従業員の意識が高まったのが改善の理由だと思う。削減できたロスは利益となるので、成果が出せた。

–プロセスセンターの進捗は

岩崎 近畿圏では約20億円を投資し、プロセスセンターを増築した。水産のラインができ、2011年3月を目途に精肉のラインも稼動する予定だ。

プロセスセンターが本格稼動すれば、畜産については、インストア加工の商品とプロセスセンターの商品を明確に分ける。牛肉はインストアで鮮度と付加価値を追求し、豚・鶏はプロセスセンターで効率を追求し差別化を図る。

そのほかに農産のセンターも作っている。外部に出していた作業を内製化していく予定だ。
 
<10月に稼動した松戸物流センター>
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首都圏では合計すると20億円ぐらいの投資をしてプロセスセンターなどの構築を図っている。2011年5月頃に完了する計画だ。

水産、畜産の商品供給や惣菜部門の原材料の供給を考えている。農産のセンターも作る。

店舗の作業性を改善し、外部に出していた作業を内製化することで、利益の取り込みを図りたいと思う。

–第4次中期経営計画は

岩崎 本来ならば、第4次中期経営計画を立てる時だが、政治も不安定で景気の見通しも分らない。いまは長期の計画を立てるのにふさわしくないと判断した。

今回は特別に第3次中期経営計画を1年延ばし、積み残した10の課題に取り組む。第1次~第3次までの9年間と1年の延長戦を合わせ10年を一区切りとして、次のライフの中期計画を作って行きたい。

–2011年はどんな計画なのか

岩崎 2011年度は久々に大量出店をする。現在12店舗程度の出店を計画している。

近畿圏に7店舗、首都圏に5店舗で、すべてスーパーマーケット(SM)業態での出店だ。2011年度以降、契約ができそうなものまで含めれば30店舗程度の物件の目途が付いている。

新店の負担もあり、難しい年となるが、ここを抜ければ明かりが見えてくると思っている。まず、2ケタ出店を乗り切り、第3次中計の積み残しの10の課題をしっかりとやり遂げる。

その上で、議論をした上でしっかりと魂の入った第4次中計を作り上げ、次世代のライフの姿とそれにふさわしい社内体制を構築するのが目標だ。

–小型店やディスカウント業態は出店するのか

岩崎 当社は同業他社が取り組んでいるような小型店はできないと思うし、ディスカウント業態もまったく考えていない。従来どおり、SM業態で400坪、450坪を基本に出店する。

<ライフ吉祥寺駅南店>
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ただし、都心の駅前でいい物件があれば150坪までは出店したいと思っている。2009年の7月に東京都武蔵野市のJR吉祥寺駅前に出店した「ライフ吉祥寺駅南店」はそういった物件だ。

–ネットスーパーの展開は計画しているのか

岩崎 2011年度にはネットスーパーを店舗出荷型で首都圏で展開する計画だ。スーパーの役割は、メーカーや生産者が作った商品を最終的に消費者に届ける場所であり、見て、触って、香りを嗅いで買い物をするニーズはなくならないと確信している。

しかし、時代は変わってきている。昨日、中学3年生の息子がスマートフォンを買ってきた。これからはスマートフォンで発注もでき、それを苦にしない人が増えるだろう。

ある一定のシェアはネットに移らざる得ないので、当社としても検討・研究をしてきたところだ。

ネットスーパーでは価格の競争もあるだろうが、生鮮を扱うスーパーではちゃんとした商品が届くという信頼感が大切だと思う。決して価格だけの競争にはならないと考えている。

–プライベートブランド(PB)を発売するが、PBの基本的な考え方は

岩崎 PBは2011年2月に加工食品4品目、日配品14品目の18品目でスタートし、年間で56億円の目標を掲げている。PBのシェアについては特に決めていない。

また、PBには留め型商品からの転換もある。価格帯は、個々の商品ごとに決めていく。

<PB商品のパッケージイメージ>
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PBの開発のスタンスは、あくまでも当社が加盟する共同仕入機構ニチリウが展開する「くらしモア」を活用するのが基本だ。現在、トマトケチャップなど売れている商品がある。昨年も、イオンやセブン&アイに対抗できる戦略的な商品開発を行っている。

ただ、残念ながらニチリウの開発商品ではまかないきれない商品があるので、ここの部分についてはライフ独自でPBを開発するのが目的だ。

–これまでPBはやらない方針だったのでは

岩崎 従来の商品部ではPB開発までの余力がなく、品質管理体制もなかった。また、ライフ自体に対する顧客の信頼感が不十分だった。

一方で、PBは日本である程度のシェアをもっており、安い商品が欲しいという顧客が増えている。また、日本の小売業も寡占化が進んでいる。最近では、メーカーのスタンスが変化し、大手でもPBをやる環境ができてきた。

これまでに、情報システムに30億円を投資し、商品部の業務フローを刷新し、相当部分の余力をPB開発に転嫁できる体制ができた。

品質管理については、店舗の衛生管理、プロセスセンターの管理、クレーム対応など社内規定を整えた。2年前からCS強化の取り組みを進め、ストアロイヤリティーも改善している。

やらなければいけないニーズと開発できる体制が整ったというのがPB開発の背景にある。

アイテムの差し替えなど手探りの部分もあるが、まずは一歩を踏み出す必要がある。やるからには成功させたいので、PBブームの時には参入せず、いまの準備をしてきた。

–2011年は創業50周年に向けた施策は

岩崎 創業50周年に向けて記念企画商品を800アイテムほど投入する計画で、約150億円の売上を見込んでいる。そのための準備もしている。

また、「スマイルライフ」というテーマで販促を考えている。笑顔という切り口で、お客様を笑顔にする、皆様への感謝を笑顔で表すといった意味を込めている。

<岩崎社長>
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プロフィール
1966年3月 東京都生まれ
1989年3月 慶応義塾大学経済学部卒業
1989年4月 三菱商事入社
1994年2月 Princes Ltd.(在英国、三菱商事100%子会社)
1999年5月 ライフコーポレーション取締役に就任
1999年5月 営業総本部長補佐
2000年2月 営業推進本部長
2000年4月 首都圏ストア本部長
2001年10月 専務取締役首都圏事業本部長
2002年3月 首都圏生鮮・食品本部長
2004年1月 近畿圏生鮮・食品本部長
2004年3月 営業統括本部長兼近畿圏物流本部長
2006年3月 代表取締役社長兼COO兼営業統括本部長就任

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